『保守主義とは何か』

『保守主義とは何か』
 (中公文庫) 864円
『保守主義とは何か』
 讀賣新聞16年8月30日
『保守主義とは何か』
 讀賣新聞16年8月31日
 信じられない組織風土。高校生の時、売上規模の小さい三菱のフルラインナップ戦略に疑問を持ったが、結局正しかった。
『保守主義とは何か』
 今日の香東川河川敷。サッカーをする子どもたちと応援する父母たち。
『保守主義とは何か』
 隣家の花





 『保守主義とは何か』


 東京大学教授・宇野重規(しげき)さんの最新著作。冷戦構造が終焉、共産圏諸国が相次いで崩壊、国内では朝日新聞の慰安婦問題虚偽報道などで左翼陣営は衰退している。では、保守陣営は大丈夫か?残念ながらそうとは言えない。世界的に格差は拡大し、驕り・腐敗も進行している。



 『保守主義とは何か』 のカバー裏、帯にはこうある。


 進歩主義の衰退が〝全盛〟をもたらしたが――

 21世紀以降、保守主義者を自称する人が増えている。フランス革命による急激な進歩主義への違和感から、エドマンド・バークに端を発した保守主義は、今では新自由主義、伝統主義、復古主義など多くのイズムを包み、都合よく使われている感がある。

 本書は、18世紀から現代日本に至るまでの軌跡を辿り、思想的・歴史的に保守主義を明らかにする。さらには、驕りや迷走が見られる今、再定義を行い、そのあり方を問い直す。



 讀賣新聞8月30日文化欄に宇野教授へのインタビュー記事が載っていた。分かりやすい。抜粋してご紹介します。


.......... ..........


 「保守主義」乱用に警鐘 再定義
 英に始まる自由の漸進的改良


 いま保守主義を問う理由について、宇野教授は「自分を保守だと言う人が日本にあふれ、かなり乱用されているから」と語る。保守の対抗軸とされてきたリベラルが退潮する中、単なる排外主義や復古主義をも保守主義とする「保守のインフレ」が起きており、「保守を再定義した方が現代政治を語る上で生産的」と説明する。

 そこでまず取り上げるのが、保守主義の始祖とされる18世紀英国の思想家エドマンド・バークだ。その生涯をたどると、彼が守ろうとしたのは、1688~89年の名誉革命で生まれた体制、つまり王権を取り込んだ議会が民衆の意見を代表し、英国人の権利・自由を漸進的に発展させていく政治体制だったことが見えてくる。

 「自由の原理を漸進的に改良する上で鍵になるのが議会、あえて言えば政党だとバークは考えた。この自由と議会・政党を大切にしない保守主義は、少なくともバーク的な保守主義ではない」と言う。


 だが、なぜ保守主義は自由を必要とするのか。教授によれば、保守主義は、人間とは愚かで間違える生き物だと自覚するが故に、伝統や習慣を尊重する立場。だが伝統や習慣はただ固守すればいいのではなく、過去から受け継ぎながら更新し、未来へ引き渡していかなければならないその営みを進めるには、「個人の自発性がなければならず、それを許す自由な社会環境がなければいけない」

 この文脈で英国の保守主義を見た時、存在感を持ってくるのが、T・S・エリオットやG・K・チェスタトンら20世紀前半に活躍した文人だ。文学と保守主義は、実は重なるからだという。


 一方、本書では日本の保守主義についての視座も示す。日本は敗戦などの「歴史の断絶」があるため、保守主義者が重視する歴史の連続性に欠けるとされる。これに対し、宇野教授は伊藤博文から陸奥宗光、原敬、牧野伸顕、吉田茂へと続く流れの中に「立憲体制を築き、自由の原理を発展させる連続性が細いながらもある」とし、バーク的な保守主義が成り立つ可能性を示す。

 言い換えれば、いま力を増しているかにみえる自由を顧みない復古主義的方向とは異なる道が、見えてくるという。  (文化部 植田滋さん)


以上


コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

teccyan88

Author:teccyan88
団塊の世代(♂)。うどん県高松市生まれ。大学は京都。20数年の会社員生活(四国各地・東京・広島・福岡勤務、主として経営管理・企画畑を歩む)の後、早期退職しUターン。専門学校(3年)ののち自営業。
趣味:読書、水泳、水中ウォーキング。
尊敬する人(敬称略):空海、緒方洪庵、勝海舟、大久保利通、司馬遼太郎、盛田昭夫、小倉昌男、佐々木常夫、西原理恵子ほか多数。

最新記事
カレンダー
08 | 2017/09 | 10
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
カテゴリ
月別アーカイブ
最新コメント
最新トラックバック
リンク
カウンター