法の支配が失われる危機

法の支配が失われる危機
 朝日新聞16年9月24日
 東大大学院教授の藤原帰一さんはアメリカにも学び、アメリカ、フィリピンでも教鞭を執った。
法の支配が失われる危機
 マック・ハロウィンチョコポテト 「なんじゃコレ」な味。このごろ何でも甘ければいいみたいになっている。
法の支配が失われる危機
 セブンーイレブンで買い物していたら、外で獅子舞が始まった。鬼無町是竹(きなしちょう・これたけ)の獅子舞。
法の支配が失われる危機
 向かいの植木屋さんでは鬼無町佐藤の獅子舞いをしていた。鬼無町、国分寺町は全国有数の盆栽の産地。外国人のお客さん(バイヤー)も多い。
法の支配が失われる危機
 岩田神社の秋祭り。
法の支配が失われる危機
 わたしは商店街で育った。祭りにしてもそうだが、自治会活動をしていると、ボランテイアに支えられている部分が多いことに驚く。時代小説をよく読むが、江戸時代との連続性を感じる。この年になって、「日本の基層」を知らないことを痛感する。





 法の支配が失われる危機


 このところ世界の流れは逆戻りしているかのようである。昨日のブログに関連し、アメリカ、フィリピンをよく知る国際政治学者の藤原帰一さんが、朝日新聞9月24日の「時事小言」に同じようなことを上品に書いている(高山正之さんの方が具体的で分かりやすいが)。抜粋してご紹介します。


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 ■アメリカとフィリピン
 法の支配 失われる危機


 民主主義が危機に直面している。民主主義のもとで法の支配が失われる危機である。

 危機に直面する社会の第一は、ドナルド・トランプ氏が大統領となる可能性の生まれたアメリカである。
 
 トランプ氏の政策には極端なものが多い。メキシコとの国境に壁を設け、その建設費をメキシコ政府に支払わせる。テロの容疑者に対する拷問、さらに容疑者の近親者の拘束も認めてしまう。難民受け入れを否定するのはもちろん、時限措置とはいえ紛争地域からのアメリカ入国を禁止する。北大西洋条約機構(NATO)や日米安保j条約を見直し、負担増に応じなければ米軍を撤退する。
 こんな政策を実施すればアメリカ国内における人種と民族の分断が加速し、諸外国との関係も悪化してしまう。
 
 だが、トランプ支持者から見れば、間違っているのはトランプ氏ではなく、ラテン系をはじめとする移民、さらに外国の政府や企業を優遇してきたこれまでの政策なのである。マイノリティーの保護に傾いた政治を正し、外国に言うべきことを言うトランプ氏こそが大統領にふさわしいということになる。


 フィリピンの新大統領になったロドリゴ・ドゥテルテ氏も、乱暴な言葉と政策によって知られる人である。ダバオ市長任期中は街頭で犯罪者を射殺するなど過激な政策を実施し、大統領選挙では就任後最初の半年で10万人の犯罪者を殺害すると公約した。

 実際、政権が発足してから2カ月余りのうちに、警官ばかりでなくビジランチと呼ばれる非公式の自警団によって、麻薬密売人と目された3千人以上が射殺されたと伝えられている。

 とはいえ、ドゥテルテ氏は現在でもフィリピン国民の支持を集めている。大統領就任の翌月、7月初めに行われた世論調査では、ドゥテルテ氏を信頼する国民が91%という圧倒的多数に上っている。

 その背景には犯罪と暴力の絶えないフィリピンの現状がある。多くの国民から見れば、ドゥテルテ氏の政策は人権侵害どころか、フィリピン国民に安全をもたらすための、遅きに失した措置にほかならない。

 国連脱退を辞さないと発言し、オバマ大統領をののしるなど、ドゥテルテ氏は外交においても波紋を呼んできた。中国との領土紛争を抱えるフィリピンがどうしてアメリカに強硬姿勢をとるのか不思議にも思われるだろうが、アメリカに強い姿勢で臨むドゥテルテ氏を支持するフィリピン国民は少なくない。植民地時代から今日に至るまでアメリカに虐げられてきたと感じるフィリピン国民は数多いアメリカに屈しない指導者というイメージが国民の支持を集めるのである。


 トランプ氏とドゥテルテ氏との間に違いもあるが、法と秩序のために手段を選ばない内政と外国に言うべきことを言う外交は共通している。その背後には、マイノリティー保護が国民の負担を伴い、法の支配を貫けば犯罪者を取り逃がしかねず、国際協力を進めるなら外国に利用され、支配さえされかねないという現実がある

 この現実に対してトランプ氏とドゥテルテ氏の示す「解決」はわかりやすい。しかし2人とも、自分の政策遂行を法の支配の外に置いている。

 民主主義によって、民主主義の土台であるはずの法の支配が覆される。アメリカトフィリピンに見られる危機の中核は、そこにある。


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(感想・意見など)


 民主主義というのはものすごくコストがかかる
 よく思うのはオウム真理教事件である。1980年代後半に事件は起きはじめ、1989年には坂本弁護士一家惨殺、1995年3月に地下鉄サリン事件、5月に教祖・麻原彰晃(本名 松本智津夫)ほか逮捕、という経過をたどった。19人死亡、600人超が負傷した。

 40人超が裁判にかけられ、13人が死刑判決、5人が無期懲役、あとは有期刑が確定している。確か、まだ上告中の被告もいるはずである。そのためか、地下鉄サリン事件からでも20年以上経過しているが、死刑は1人も執行されていない。

 多数の犯罪、かかわった人数が多いほど、真相究明とやらで、命を長らえている矛盾である。その間かかわった、警察官、検察官、弁護士、裁判官、刑務官、それぞれの事務官などなど、一人当たり年間人件費は1千万円以上のはずであるが、恐らく総コストは数百億円にはなるはずである。

 フィリピンをはじめ中進国以下には耐えられない。先進国でもイタリアのシシリアあたりでは、検察官や裁判官、不利な証言をしそうな証人およびその家族などが大勢殺されている。

 民主主義を維持するコストは膨大である。


以上

 

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teccyan88

Author:teccyan88
団塊の世代(♂)。うどん県高松市生まれ。大学は京都。20数年の会社員生活(四国各地・東京・広島・福岡勤務、主として経営管理・企画畑を歩む)の後、早期退職しUターン。専門学校(3年)ののち自営業。
趣味:読書、水泳、水中ウォーキング。
尊敬する人(敬称略):空海、緒方洪庵、勝海舟、大久保利通、司馬遼太郎、盛田昭夫、小倉昌男、佐々木常夫、西原理恵子ほか多数。

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