スウェーデンの知られざる一面

スウェーデンの知られざる一面
 週刊新潮16年11月3日号
スウェーデンの知られざる一面
 北欧は、歴史的に、東欧ほどではないが、ロシア・ソ連、ドイツなどに酷い目に遭ってきた。
スウェーデンの知られざる一面
 スウェーデンは武器輸出大国。写真はサーブ39グリペン戦闘機。山をくり抜いたシェルターにこの戦闘機を分散配置し、緊急事態発生時には高速道路はいつでも滑走路として使えるように作ってある。南アフリカ、ブラジル、ハンガリー、チェコ、タイ、スイスなどに輸出。
スウェーデンの知られざる一面
 スイスではあらゆる施設が国防を考慮して作られている。





 スウェーデンの知られざる一面


 日本のマスコミや学会などは非常に偏っている。例えば、北欧といえば、高福祉で人にやさしい国としか紹介しない。それを支えているのが約7割りもの厳しい国民負担率であることをあまり報道しない(日本は約4割)。全く紹介しないのが軍事面である。

 週刊新潮11月3日号の「国際問題…」欄で元外交官でキャノングローバル戦略研究所研究主幹の宮家邦彦さんがそのことに触れている。抜粋してご紹介します。


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 スウェーデン「高福祉平和中立国家」の真実


 スウェーデンといえば、人権、中立、高負担・高福祉の平和国家というイメージが強いが、この国がNATO非加盟の武器輸出大国である理由は何だろう。

 スウェーデン最後の戦争は、1814年の対ナポレオン戦。つまり過去200年以上戦っていないのだが、一体、何故そんなことが可能なのか。

 まずは地政学から始めよう。スウェーデンはスカンジナビア半島の東側に位置し、西側のノルウェーと長い国境線で結ばれる。北部でフィンランドと国境を接し、南部でデンマークに近接するスウェーデンはバルト海の大国でもある。17世紀、フィンランド、エストニア、ラトビアの一部はその支配下にあった。

 1809年、スウェーデンは12世紀から保持していたフィンランドをロシアに奪われた。ナポレオン戦争後はノルウェーと連合王国を形成し、20世紀初頭の1905年まで維持した。


 続いて、スウェーデンの軍事産業について一言。この国が200年も平和だった理由の一つは、強力な軍隊の存在だ。

 人権保護や平和構築など良いイメージがあるが、同時に世界第11位の武器輸出国でもあり、小型で高速道路からも離着陸できるグリペン戦闘機など高性能兵器を開発、輸出する。日本の自衛隊もスウェーデン製の無反動砲や潜水艦推進機関を使っている。

 
 このスウェーデン軍が最近ロシアの動きを警戒し、ベルト海に浮かぶゴットランド島に150名の部隊を常駐させた。19世紀以降、スウェーデンにとって最大の脅威はロシア・ソ連だったが、そのロシアが再びバルト海方面に戻ってくるという判断なのだろう。

 スウェーデンの対露戦略は実に見事だ。もちろん一国ではロシアに太刀打ちできない。そこで北欧全体で考えた。スウェーデン、フィンランドともNATO非加盟、EU加盟の国であり、フィンランドはユーロも導入している。逆にノルウェーはNATO加盟だがEUは非加盟、ユーロも導入していない。

 この一見、バラバラの北欧三国が長期間平和を維持した最大の理由は、瞠目すべき戦略的分業に成功したからだ。

 具体的には、ロシアと直接国境を接するフィンランドに勇猛果敢な陸軍を、スウェーデンには強力な迎撃能力を誇る空軍を置き、ノルウェーがNATOの援軍を受け入れる。これで北欧の平和と安全を守ってきたのだ。

 分業を可能とした理由は三国の同質性と地政学的共通利益もあろうが、より重要な点は「平和を守るために戦争の準備をする」という、彼らのごく当たり前の発想だ。


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(感想・意見など)

 北朝鮮、中国など世界で最も危険な隣国がありながら、「非武装中立」など狂気の沙汰である。

 「アルプスの少女ハイジ」で有名な永世中立国スイスは、武装中立国民皆兵制を国防の基本に据えている。

 2013年6月に、徴兵制を廃止するかどうかの国民投票を行なったが、国民の多数は徴兵制を支持した。

 スイス国民の自宅にはほぼ100%核シェルターがあり、国中のあらゆる施設(道路、橋、堤防、個人の家…)は戦争を想定して作られている。食糧にしても、その年に獲れた小麦は備蓄し、古い小麦から使うので、スイスのパンは不味いといわれている。それでも国民は納得している。

 朝日や岩波を代表とするマスコミや多くの学者・評論家は、こういう冷厳な事実を国民に知らせず、「非武装中立」など無責任かつ能天気なことばかり言っている。

 過剰な武力はもちろん危険である。しかし、防衛力の空白・脆弱地域は外敵・ならず者集団を誘引し、紛争・戦争を引き起こしかねずもっと危険である。



以上


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teccyan88

Author:teccyan88
団塊の世代(♂)。うどん県高松市生まれ。大学は京都。20数年の会社員生活(四国各地・東京・広島・福岡勤務、主として経営管理・企画畑を歩む)の後、早期退職しUターン。専門学校(3年)ののち自営業。
趣味:読書、水泳、水中ウォーキング。
尊敬する人(敬称略):空海、緒方洪庵、勝海舟、大久保利通、司馬遼太郎、盛田昭夫、小倉昌男、佐々木常夫、西原理恵子ほか多数。

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