板東俘虜(ふりょ)収容所

板東俘虜収容所
 産経新聞16年12月5日
板東俘虜収容所
 ゆめタウン高松近くで飼っている2頭のポニー。彼らが草を食べている以外の姿を見たことがない。
板東俘虜収容所
 香東川傍のイチョウ
板東俘虜収容所
 小春日和の香東川河口付近





  板東俘虜(ふりょ)収容所


 今日の産経新聞板東俘虜収容所の記事が載っている。徳島県鳴門市に開かれた俘虜収容所である。第一次世界大戦時、ドイツの租借地であった青島で日本の捕虜となったドイツ兵約千人を1917年から1920年まで収容した。

 捕虜の多くが志願兵となった元民間人で、彼らは自らの技術を生かして製作した製品を販売したり、様々な手工業や学問、芸術、文化などを日本に伝えた。彼らが建てたドイツ橋は現存するし、ベートーベンの交響曲第9番は日本で初めてこの地で演奏された。

 全国で初めて俘虜収容所が開設されたのは松山である。日清・日露戦争の捕虜が、多いときには約4千人収容されていた。松山・板東とも、捕虜に対する処遇は人道的かつ公正だったと言われている。

 確か、司馬遼太郎さんの「坂の上の雲」で読んだ記憶があるが、、日露戦争時、ロシア兵は「マツヤマ、マツヤマ」と言いながら投降してきたという。温かい処遇は彼らロシア兵の間でも有名だったようである。


 産経新聞12月5日「話のステージ」欄に鳴門市ドイツ館館長・森 清治(きよはる)さんの話が載っている。抜粋してご紹介します。


.......... ..........


 ドイツ兵捕虜との100年
 1人の婦人の清掃から始まった


 第二次世界大戦終結後、「板東俘虜収容所」の兵舎は、大陸からの引き揚げ者用住宅として利用された。

 昭和22(1947)年、ここで暮らしていた高橋春枝さんは、住宅の北にある池の畔で偶然、草に埋もれた石碑を見つける。この石碑は大正8(1919)年8月、帰国を前にしたドイツ兵捕虜たちが、板東俘虜収容所敷地内に建設した。この収容所に関係する施設で亡くなった11人の同胞を弔う慰霊碑であった。

 高橋さんは慰霊碑がこの場所に建設された理由を知ると自らの大陸での体験も重なって、この碑の清掃活動を始めた。13年続いた昭和35(1960)年10月、その活動が新聞で紹介されたことをきっかけに、在日ドイツ大使が慰霊碑の存在と日本人の手で守られていることを知る

 翌11月には当時のハース駐日大使が収容所跡地を訪れ、慰霊碑に献花するとともに高橋さんに感謝の気持ちを伝えた。

 慰霊碑が今も守り続けられていることは大使の帰国後、ドイツでも報道されることになるが、これが元ドイツ兵捕虜の知るところとなる。


 昭和37年1月、大麻町(おおあさちょう:現鳴門市大麻町)役場にドイツから一通の手紙が届いた。40年前、板東俘虜収容所で生活していた元ドイツ兵E・ライボルト氏からであった。このことが大きなきっかけとなり、再び地元住民と元ドイツ兵との交流が始まった

 大麻町(当時)に元ドイツ兵から当時の思い出を綴った手紙や写真が次々と送られ、それに応えるように町では当時の面影を残す元収容所の建物や周辺の景観を映した8ミリ映像を制作。その映像はライボルト氏に届けられ、戦友の集まりで上映された。

 町内では元ドイツ兵から提供された品々を展示・保存するための施設として「ドイツ館」建設の機運が高まり、39年には「ドイツ記念館建設期成会」が結成される。

 元ドイツ兵たちは「バンドー会」と呼ばれる元俘虜たちの集まりを通じて、ドイツ館建設のための寄付金や当時の写真・収容所で販売されたイベントプログラムなどを次々と鳴門市に提供。

 そして、慰霊碑の清掃活動が新聞報道されてから12年後の昭和47(1972)年5月、初代鳴門市ドイツ館が完成。収容所での2年10カ月余りの生活は、とらわれの身であったにも関わらずドイツ兵にとっては「良き思いで」であった。

 彼らは板東俘虜収容所でドイツ人としての誇りを持って収容所生活を送れたことに感謝し、それを証明するかのように鳴門市ドイツ館の建設に尽力したのであった。


以上


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teccyan88

Author:teccyan88
団塊の世代(♂)。うどん県高松市生まれ。大学は京都。20数年の会社員生活(四国各地・東京・広島・福岡勤務、主として経営管理・企画畑を歩む)の後、早期退職しUターン。専門学校(3年)ののち自営業。
趣味:読書、水泳、水中ウォーキング。
尊敬する人(敬称略):空海、緒方洪庵、勝海舟、大久保利通、司馬遼太郎、盛田昭夫、小倉昌男、佐々木常夫、西原理恵子ほか多数。

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