副島種臣(そえじま・たねおみ) 欧米を唸らす

副島種臣 欧米を唸らす
 産経新聞17年3月30日
副島種臣 欧米を唸らす
 今日、小雨に煙る香東川の河原。この黄色い花はいたるところに咲いている。名前を知りたい。
副島種臣 欧米を唸らす
 先日閉店したサークルK。6月上旬にさぬきうどん店としてオープン。うどん屋がどんどん増えている。





 副島種臣(そえじま・たねおみ) 欧米を唸らす


 産経新聞3月30日「明治に貢献した佐賀人材」として「佐賀の吉田松陰」と呼ばれる枝吉神陽(えだよし・しんよう)の弟子2人が紹介されていた。その内の一人、副島種臣(そえじま・たねおみ)に関する部分を抜粋してご紹介します。


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 外交 副島種臣 欧米を唸らす


 「貴国が国際社会の新たな一員として、存在感を発揮する絶好の機会だ」

 明治5(1872)年6月。2人の英国人が、外務卿(大臣)の副島種臣(1828~1905)に、こう告げた。

 同月、日本の外交史に残る事件が起きた。横浜市沖合に停泊中のペルー船籍「マリア・ルス号」から、清国人が逃げ出し、英軍艦に保護を求めた。マリア・ルス号には、ペルーで働く予定の清国人労働者約230人が乗っていた。

 英国側はこの労働者が「奴隷」にあたるとして、日本政府に救出を求めた。

 当時、欧米列強は大規模農場などで働かせる労働力不足に悩んでいた。18世紀に入り、黒人奴隷の解放運動が各国で起きたからだ。英国も1833年、奴隷制度廃止法を成立させた。

 黒人奴隷の代わりに、クーリー(苦力)と呼ばれる清国人やインド人労働者が多数、南米に送られた。契約によるといっても、実態は奴隷に等しかった。

 マリア・ルス号が出港したマカオはポルトガルの支配下にあり、クーリー貿易の拠点でもあった。英国はポルトガルとクーリー確保で争っていた。

 副島の脳裏に、こうした国際情勢が浮かんだ。
 「マリア・ルス号は英国にとって、『非人道的なポルトガル』を攻撃する絶好の機会だろう」

 英国側の狙いは明白だった。超大国の英国に「貸し」をつくることは、日本が狙う不平等条約改正にも決して損ではない―。

 副島は慎重に言葉を選びながら、口を開いた。 「わが国とペルーはまだ外交条約を結んでいない。事件化すれば、国際紛争にも発展しかねない」

 不服な英国人に、副島は続けた。
 「そうなったときのために、貴国政府からの支援を確約して頂けるのであれば、やりましょう」

 2人の英国人は満足して、深くうなずいた。


 ◆クーリー貿易廃止

 副島の兄、枝吉神陽えだよし・しんよう:1822~1862)は常々、「学問そのものを目的にしてはならない。天下経綸(けいりん:国の秩序を整えること)こそが、学問の目的である」と強調した。

 文献を単に丸暗記するのではなく、その知恵を現実社会に生かす。そう叩き込まれた。

 副島は平安時代の法令解釈集「令義解(りょうのぎげ)」を何度も学んだ。行間には、政治の現実が込められていた。魑魅魍魎(ちみもうりょう)が巣くう朝廷における、関係者の交渉と妥協、調整の結果が法令解釈だ。

 政治の本質を理解すれば、時代を超えて明治の国際交渉にも応用できる。必要なのは正論と根回しだ。

 副島はマリア・ルス号を「奴隷運搬船」と認定し、清国人救助を命じた。乗組員に対する傷害容疑で船長を訴追した。

 裁判の結果、クーリー解放を条件に、マリア・ルス号の出港を認めた。これを不服とするペルー政府との国際仲介裁判も、日本側の完勝だった。英国という後ろ盾を固めた副島の作戦勝ちだった。

 「わが国が奴隷解放に大きな役割を果たしたことを、欧米各国に知らせよ」。副島はこう指示した。

 1874年、マカオでのクーリー貿易は廃止された。副島の狙い通り、日本は国際社会で存在感を高めた


 副島はとの交渉でも、外交官としての才能を発揮した。

 日本と清国は長く、正式な外交関係がなかった。琉球や台湾の帰属問題などを処理する上で、国交樹立が急務となった。

 1873年3月、副島は特命全権大使として清に派遣された。第一の目的は、2年前に結んだ日清修好条規の批准だった。

 副島は批准手続き後、清朝皇帝への謁見を求めた。
 清側は朝貢国としての儀礼を求めた。自国こそ世界の中心で、他は属国だという「中華思想」の表れだった。

 副島は猛然と反論した。
 「国家間の関係は、信頼で結ばれる朋友の交わりだ。君臣間の儀礼を日本に求めることは、孔子や孟子の教えにもとるものだ!」

 西洋的な価値観を振りかざせば、清側も強く反発するだろう。副島はあえて、中国人が尊敬する儒学の聖人を持ち出した。

 帰国の構えまで見せた副島に対し、清はしぶしぶ立礼での謁見を認めた。対等の関係を示すものだった。

 この駆け引きの中で日本側は、台湾問題における大きな言質(げんち)も取った。

 台湾はわが国の統治や教化の及ばない『化外(けがい)の地』である―。

 この清側の発言は、後に台湾出兵の根拠になり、それに伴い琉球王国が日本に帰属する決め手となった。

 副島の手腕に、欧米各国の外交官は唸った


以上


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プロフィール

teccyan88

Author:teccyan88
団塊の世代(♂)。うどん県高松市生まれ。大学は京都。20数年の会社員生活(四国各地・東京・広島・福岡勤務、主として経営管理・企画畑を歩む)の後、早期退職しUターン。専門学校(3年)ののち自営業。
趣味:読書、水泳、水中ウォーキング。
尊敬する人(敬称略):空海、緒方洪庵、勝海舟、大久保利通、司馬遼太郎、盛田昭夫、小倉昌男、佐々木常夫、西原理恵子ほか多数。

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