日本的経営と決別を

日本的経営と決別を
 日経新聞15年5月1日
日本的経営と決別を
 毎日新聞17年2月15日
日本的経営と決別を
 四国新聞17年3月27日
日本的経営と決別を
 薄ピンクのモクレン





  日本的経営と決別を


 東芝シャープ三菱重工業オリンパスなど日本の一流企業の一部の経営が思わしくない。東芝といえば、昔からライバルは日立である。日立もリーマンショック後、7千億円を超す最終赤字を出したが、立ち直った。

 その立役者が川村隆さんであったことを2015年5月の日経新聞「私の履歴書」で知った。69歳で日立マクセルの会長だったが、日立本体の社長職を引き受け、見事立ち直らせた。普通69歳なら引退してもおかしくないが、ある事件の影響もあり、会長兼社長として再建を引き受けたという。日立副社長時代の1999年、札幌出張時全日空機がハイジャックされ、機長は刺殺されたが、偶然乗り合わせた非番の機長が犯人を取り押さえて操縦し、墜落を免れた。この事件を機に人生観が変わり、物事に対し最終責任を持つ「ラストマン」の気概で経営に当たってきた。

 スピードを重視し、矢継ぎ早にグループを再編。選択と集中を徹底し、「V字回復」を果たした。会長に専任後、「財界総理」と呼ばれる経団連会長への就任を要請されたが、断った。しかしこの度、経済産業相から東京電力ホールディングスの会長就任を要請され、引き受けた。77歳、恐らく最後の大仕事になる。

 その川村さんが、毎日新聞「経済観測」欄にコラムを書いている。2月15日分をご紹介します。


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 日本的企業文化からの脱皮


 「日本的経営」とは、会社から信託を受けた経営者が、雇用を守り、取引先や地域との調和を守りながら、年功序列や終身雇用などの制度下で行う経営のことだ。

 日本企業でもグローバル企業と呼ばれる各社では、これでは世界市場で対等に戦い続けることはできない、との認識が強くなっている日本的経営の各社は押しなべて世界レベルの最終利益を出せない現状だからだ。

 最終利益が世界レベルの半分ならば、未来の研究開発投資も設備投資も人材投資も市場開発投資も、何もかも世界企業の半分しかできない。こうして10年経過した後の企業の優勝劣敗は明白だろう。

 日本企業では、経営者も従業員も自分たちがどっぷりつかってきた過去から脱皮する必要がある。仲間内で楽しく暮らす意識が中心で、リスクに備えつつ未来の変革を目指すという意識は薄いのが、日本的企業文化だ。権威者の言説を過度に重視し、それに合わせてしまうことも多い。

 毎日、髪を振り乱して働くのだが、基本的に現状維持派で、膨大な作業量を器用にさばくのが優秀な社員とされ、未来志向の経営者や従業員は少数派なのが問題だ。


 この日本的風土の源は、戦中戦後に日本で確立した年功序列・終身雇用を中心とした雇用・労働制度だと私は考えている。今なお日本の主流であるこの制度には、老若・男女・国籍・正規非正規に関係なく、企業の未来を切り開く人々を重用し、組織全体を筋肉質かつ流動的に、という基本的考えが不十分だ。だから大企業などに、潜在社内失業者が出て、コストを圧迫する現状が出現するのだ。

 数百万年前、チンパンジーと人類の祖先は決別したが、前者は未来感を持たず、未来への覚悟を持った後者が繁栄した。日本企業は人類の祖先を見習って行動する時だ。


以上


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プロフィール

teccyan88

Author:teccyan88
団塊の世代(♂)。うどん県高松市生まれ。大学は京都。20数年の会社員生活(四国各地・東京・広島・福岡勤務、主として経営管理・企画畑を歩む)の後、早期退職しUターン。専門学校(3年)ののち自営業。
趣味:読書、水泳、水中ウォーキング。
尊敬する人(敬称略):空海、緒方洪庵、勝海舟、大久保利通、司馬遼太郎、盛田昭夫、小倉昌男、佐々木常夫、西原理恵子ほか多数。

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