時代の証言者…秦 郁彦さん①

時代の証言者…秦 郁彦さん
 讀賣新聞17年3月14日
 3月14日から4月26日まで31回に及ぶ「時代の証言者」は、近現代史家の秦 郁夫(はた・いくお)さん。知らなかったことも多く随分楽しませてもらった。1932(昭和7)年、山口県防府市生まれ。
時代の証言者…秦 郁彦さん
 讀賣新聞17年3月22日
 1951年東京大学教養学部入学。丸山真男教授に師事。1年間休学して、東京裁判A級戦犯たちにヒアリングを行う。法学部に進学したら丸山ゼミに入る約束だったが、丸山教授が肺結核で休職したため、岡義武ゼミに入る。
時代の証言者…秦 郁彦さん
 讀賣新聞17年3月23日
 東大を1年間休学して、鈴木貞一・元中将、今村均・元大将、橋本欣五郎・元陸軍大佐、佐藤賢了・元陸軍省軍務局長などの戦犯にヒアリングを行った。彼らはそろって好意的だったという。
時代の証言者…秦 郁彦さん
 讀賣新聞17年3月25日
 満州事変の起点となった柳条湖事件を約30年かかって究明。キーマンは当時、奉天の特務機関にいた花谷(はなや)・元中将。
時代の証言者…秦 郁彦さん
 讀賣新聞17年4月3日
 石原莞爾没後、山形県酒田市近くに住む石原夫人と弟さんが保管していた「満蒙問題私見」などを発掘。石原はその後日中戦争不拡大をめざしたが、満州事変の首謀者であり、日本を破滅の道へ追いやった責任者と総括している。
時代の証言者…秦 郁彦さん
 讀賣新聞17年4月4日
 東京大学法学部卒業後、大蔵省入省。為替局、中国財務局、名古屋国税局勤務。日本国際政治学会の「太平洋戦争への道」プロジェクトに参加。二足のわらじをはく。経済企画庁に出向。実証史学者として認められ、1963年米国留学。1年目はハーバード大学、2年目はコロンビア大学で研究員の資格で留学。図書館・文書館に入り浸りになる。米国流の公文書や重要な私文書などの一次資料を軸にして論文を書く手法を身につけた
 米国社会の学歴主義を目の当たりにし、74年に東大・法学博士の学位を取得。
時代の証言者…秦 郁彦さん
 讀賣新聞17年4月13日
 73年から74年にかけてミシガン大学に招かれて米国に出張。その間、財政史プロジェクトで、米国の日本占領計画から朝鮮戦争特需を契機とする経済成長までの7年間を執筆。上司が「国の刊行物としては不適切な部分が多い」として異議。「辞めたら無修正にしてくれますか」と聞くと「部外の研究者が書くのなら、学問の自由が適用される」との返事。「では退官する」と、20年間勤務した大蔵省を辞職。秦氏が執筆した第3巻『アメリカの対日占領政策』は76年7月、東洋経済新報社から発刊された。
時代の証言者…秦 郁彦さん
 讀賣新聞17年4月17日
 元東京教育大学教授の家永(いえなが)三郎さんは、高校用日本史教科書の検定結果を不服として、3次32年にわたる教科書裁判を起こした人として進歩派の大スターであった。戦時中、「学会の一兵卒として学問報国の戦列に参加することの出来た吾人(ごじん:われわれ)は誠に願っても無き幸せ者」などと著作に書いていたなどとは知らなかった。まさに変節漢!そのことを指摘した秦さんは、右翼反動並みの扱いを受けたという。
時代の証言者…秦 郁彦さん
 讀賣新聞17年4月19日
 日中戦争の発火点となった盧溝橋事件は今もって謎が多い。①日本軍の陰謀説、②中国・第29軍の発砲説、③中国共産党の陰謀説、がある。私は、③劉少奇らの中国共産党の陰謀説を信じていた。秦さんは、いろいろ調べた結果、②中国・第29軍の発砲説を採っているようである。
時代の証言者…秦 郁彦さん
 讀賣新聞17年4月20日
 中国の南京大虐殺記念館には、30万人という数字が大きく掲げられている。当時の南京の人口は20万人。あり得ない。日本では、①十数万人とする「大虐殺派」、②虐殺はなかったとする「まぼろし派」、③中間派、に分かれている。秦さんは中間派で、日本軍の戦闘詳報をもとに、最大4万人と見ている。南京事件直後の1938年4月の中国共産軍機関紙「抗敵報」は4.2万人と報じている。
 中国戦線の経験がある私の亡父は、中国兵はすぐ城に逃げ込み、城内に兵服を脱ぎ捨て、一般人に紛れてゲリラ活動をする。女・子供といえども油断ならない。だからある程度犠牲者が出るのはやむを得ないと言っていた。
時代の証言者…秦 郁彦さん①
 讀賣新聞17年4月26日
 秦さんが自らに課した信条。①特定のイデオロギー活動にコミットしない。②フィクションが無意識のうちに刷り込まれないよう、歴史小説やテレビの歴史ドラマはなるべく見ない。③偽(フエイク)ニュースや詐話師に振り回されない知恵と技法を身につける。④陰謀史観や文明(史)論へ逃げ込まない、など。イデオロギーが先にあって、それに合うような事実(証拠)を集める歴史家が多すぎる。それは歴史家とはいえない。
 秦さんは、個人情報保護の名目で、必要な公的情報が利用できない状況が進行していることを憂えている。
時代の証言者…秦 郁彦さん
 庭に咲いている紫色の花。図鑑で調べたら「タツナミソウ」のようであったが、ネットで「タツナミソウ 画像」で調べたらどうも違う???


以上


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teccyan88

Author:teccyan88
団塊の世代(♂)。うどん県高松市生まれ。大学は京都。20数年の会社員生活(四国各地・東京・広島・福岡勤務、主として経営管理・企画畑を歩む)の後、早期退職しUターン。専門学校(3年)ののち自営業。
趣味:読書、水泳、水中ウォーキング。
尊敬する人(敬称略):空海、緒方洪庵、勝海舟、大久保利通、司馬遼太郎、盛田昭夫、小倉昌男、佐々木常夫、西原理恵子ほか多数。

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