加計(かけ)問題の一つの見方

加計問題の一つの見方
 朝日新聞17年5月26日 1面トップ
 安倍政権を倒したい朝日新聞は連日、加計問題に大きなスペースを割いている。朝日は、前川前事務次官をそれほど信用していいのか?禁止されている天下りに自ら積極的に関わり(明らかに違法!国民を舐めている)、風俗通いは昨秋、官僚トップの官房副長官から注意されていたという。遵法意識にバランスを欠いている。「行政のあり方がゆがめられた」と公憤をよそおうが、天下り問題はどうなのか?これだけ法を曲げた人が言うと、私憤としか思えない。「おまえが言うな!」という話である。
加計問題の一つの見方
 朝日新聞17年5月26日 2面
 朝日らしい角度のついた記事が散見される。「(菅官房長官は)問われてもないのに自ら進んで『(前川次官は)当初は自ら辞める意向を示さず、地位に恋々としがみついた』と言及した」「官邸による便宜供与が疑われている問題を、前川氏への『個人攻撃』で覆い隠そうとしたとも受け取られかねない姿勢を見せた……」などなど。残念ながら無署名記事。
加計問題の一つの見方
 朝日新聞17年5月26日 12面 社説
加計問題の一つの見方
 朝日新聞17年5月26日 35面
 この面では、バランスよく文科省現役職員4人の様々な声を紹介している。私は2番目の中堅幹部の次のような意見に賛同する。「在任中に内閣府と真正面から闘わずに、今になって正義感を振りかざし、出会い系バーに出入りするなどプロとして自覚のない人が次官をしていたことにぞっとする」。文科省とは、所詮この程度の人がトップを務める役所なのか?日本の教育界の司令塔だよ。
加計問題の一つの見方
 週刊文春17年6月1日号
 恐らく、前川氏が文春に売り込んだもの。前川氏の150分(2時間半)の主張を6ページにわたって記事にしている。
加計問題の一つの見方
 週刊新潮17年6月1日号
 前川氏の新宿歌舞伎町の風俗(出会い系バー)通いがメインテーマ。「週に3、4回来ていた」という。「貧困問題の実地調査」などではない。ヒマというか、色気違いというか。金持ちでもあったのだろう。退職金は5600万円説、8000万円説あり。自宅は3億円強とか。
 週刊新潮では、問題になっているあの文書を各マスコミにリークした張本人が前川前次官だと断言している。また、その「文書自体は正式な報告書などではなく、前川さん自身か、もしくは部下が作成したであろうメモの類です」とのこと。
 まず、NHKが5月16日夜9時半過ぎネットニュースで配信。その後文書を映像で流した。朝日新聞が翌5月17日朝刊で記事に。朝日もネタ元は前川氏。NHKではインタビューも収録済みだが、前川氏の〝買春疑惑〟が持ち上がり、お蔵入りに。
 前川前次官は、天下り問題で事務次官を依願退職させられたことに恨みがあったという。
加計問題の一つの見方
 讀賣新聞17年5月22日
 週刊誌あたりが、これから前川氏の「貧困問題の実地調査」がいかなるものであったか、調べてくれそうである。世界的企業の創業家3代目、東大、事務次官、華麗なる姻戚関係、しかしどこかバカ。世の中は自分を中心に回っていると思っているお坊ちゃん。最近もよく似たお嬢様が話題になったような…。
加計問題の一つの見方
 まだ隆々としているツツジがある。




 たまたまネットサーフィンをしていて、加計(かけ)問題について非常に面白い見方をしているひとを見つけた。

 DIAMOND online 元経済産業省官僚で慶応大学大学院教授の岸 博幸(きし・ひろゆき)さんの見方である。一面的な見方の議論しかされていないのを危惧していた。さすが元官僚、内部事情に精通している。抜粋、一部編集してご紹介します。


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加計学園の報道されぬ真実、黒幕は総理・官邸・内閣府ではない!
2017.5.26

岸 博幸:慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授


 加計学園問題が続いています。国家戦略特区で安倍総理の「お友達」である加計学園だけが獣医学部の新設を認められたのは、安倍首相の意向が働いたか、内閣府の官僚が忖度したからだという主張です。2つの論点があると思うので、私が独自取材してわかったことも加えて、それぞれについて考えてみたいと思います。


「官邸の最高レベルが言っている」「総理の意向」は本当なのか?

 第一の論点は、民進党や朝日新聞が明らかにした、文科省から流出したと言われている議事録調の文書です。内閣府の審議官が大学を所管する文科省に「官邸の最高レベルが言っている」「総理の意向」と圧力をかけたとされていますが、それは本当なのでしょうか。

 そもそも菅官房長官が5月18日の記者会見で発言しているように、総理の意向は“岩盤規制に風穴を空ける”ということだと考えられます。

 加計学園問題について言えば、口蹄疫などの感染症の発生の拡大を考えると、家庭向けはともかく産業向けの獣医の数は足りないと考えられるのにもかかわらず、大学の獣医学部の新設は52年も認められませんでした。獣医師の需給を所管する農水省とその族議員、その背後にいる日本獣医師会が反対してきたからです。獣医学部の新設認可は強固な岩盤規制だったのです。

ちなみに、私自身が内閣府の人たちに確認したところ、特区での他の規制改革に抵抗する省庁に対しても“岩盤規制に風穴を空ける”という文脈で同じような表現を使ったことはあるようです。

 これが大事なポイントで、自分の官僚時代の交渉の経験からも、特に改革に後ろ向きな役所を説得する際には、“上の意向”“政治の意向”といったことはブラフとしてよく使います。それは民間企業でも同じではないでしょうか。

 ただ、その場合でも、言質を取らせない慎重な物言いが得意な官僚が、「加計学園ありきが総理の意向」と先方に思わせるような発言をするとは考えられません。先方の議事録にそれが残ったら大変なことになるのは、火を見るより明らかだからです。

 したがって、前事務次官の前川氏がメディアの取材で発言しているように、もし文科省側が「内閣府は加計学園での獣医学部新設で圧力をかけている」と感じたとしたら、それは総理の意向というより、特区での成果を早くつくりたいという官僚特有の成果主義ゆえではないかと思います。

 ちなみに、前川氏はメディアで文科省が慎重だった理由として、「獣医師の需給を所管する農水省が獣医は足りていると言っていたから」と発言しています。これは正論にも見えますが、岩盤規制と既得権益を守る理屈にやすやすと屈しているだけですので、その程度の人だと多少のブラフでも恫喝と感じてしまうのでしょうか。

 また、前川氏がやっていることは明確に情報漏洩であり、国家公務員法の守秘義務違反に該当するのではないでしょうか。現役のときに頑張らず、今になってそのようなことを平然とやる人が、野党やメディアがさも勇気ある告発者のように扱うのは、ちょっと違う気がします。


「加計学園ありき」で国政は本当に私物化されたのか?

 第二の論点は、共産党が明らかにした特区での獣医学部新設を決めた内閣府の文書です。最初の段階では自治体又は大学から特区の申請があれば特に限定なく新設を認める方針だったのに、最後の段階で「広域的に獣医学部が存在しない地域に限り新設を認める」という文言が入ったことを示しています。

 その結果、加計学園と京都産業大学の2ヵ所が獣医学部新設に手を挙げていたのに、近隣の大阪に獣医学部がある京都産業大学は対象から外れ、加計学園だけが新設を認められました。内閣府は総理の意向を忖度して加計学園ありきの手続きを行った、国政の私物化ではないかという主張です。

 この点は重要です。実際、霞が関の省庁では、自分たちが仲のいい企業などに仕事を受注させるために、事業者を公募する段階で、その企業だけが適合するような条件を応募要件に加えて他が受注できないようにするというのは、よくあることだからです。

 その疑念から内閣府を含む数多くの関係者に取材を行ったところ、内閣府は、応募できる自治体・大学を限定することは特に考えていませんでした。もともと特区はできるなら最初の段階から全国展開したい(=複数の地域で実現したい)と内閣府は考えているので、これはある意味で当然です。

 ただ、規制改革を決めるときは、当然その規制を所管する農水省や自民党(=族議員)と協議しなければなりません。調べたところ、その調整の過程で「広域的に獣医学部が存在しない地域に限り新設を認める」という表現を入れるという形でまとまったのが真相です。これなら半世紀にもわたって既得権益を守ってきた族議員も受け入れられるというギリギリのラインが、この表現になったのでしょう。

 さらに言えば、この表現を入れて方針が決まった後にパブリックコメントを募集したところ、日本獣医師会から「広域的に獣医学部が存在しない地域とは 1ヵ所、1校であることを明示しろ」という意見が出され、自民党の国会議員からも同様の要望があったので、最終的に獣医学部新設は1ヵ所に絞ることになったようです。

 つまり、結果として加計学園だけが認められる形になったのは、総理や官邸、内閣府の作為や責任ではなく、獣医学部の新設にずっと反対して今回も大反対を繰り広げた、自民党の族議員と日本獣医師会の意向によってなのです。


責任は総理や官邸、内閣府にはない 野党やメディアはもっとしっかりしろ!

 これらの事実から、いくつかの怒りを感じざるを得ません。

 第一に、野党やメディアは特定のところから提供される文書・情報以外の、別の角度からの情報をちゃんと自分で調査して、何が真実かを突き止めようとしないのでしょうか。私は上記の2つの縛りが入る過程に関与した国会議員の名前もすべて特定できています。私が個人で調べて把握できる程度のことも調べていないなら、あまりに情けないと言わざるを得ません。

 第二に、野党やメディアは岩盤規制の改革に抵抗する既得権益も取り上げて非難すべきなのに、総理の意向や忖度といった陰謀論を騒いでばかりいては、逆に既得権益を利することになっているのがわからないのでしょうか。

 今回の騒ぎで加計学園の獣医学部新設がなしになったら、最も喜ぶのは日本獣医師会自民党の族議員の人たちです。普段は安倍政権に対して「成長戦略が中途半端」「改革が遅い」と批判しておいて、その一方で今回の件では結果的に既得権益側に加担するというのは意味不明です。

 第三に、特にメディアは結果的に自らの役割を半ば放棄してしまっているのではないでしょうか。

 メディアの役割は、権力の監視に加えて真実の追求のはずです。それなのに、加計学園問題でメディアがやっていることは、総理の陰謀シナリオありきのストーリーを前提にそれに適合する情報を報道するばかりで、何が真実かを明らかにしようという姿勢がほとんど感じられません

 野党は与党を批判して追い込むのが仕事ですから、陰謀シナリオで騒ぐのは止むを得ない面もあります。しかし、メディアも同じことをやるだけで多角的に情報収集・分析して真実を明らかにしようとしないことには、危機感を感じざるを得ません。

 野党やメディアの加計学園問題での批判は、煎じ詰めれば安倍政権にはガバナンスが欠如しているという主張になります。しかし、野党やメディアの振る舞いを見ていると、彼らが権力を正しく監視しようとしていないので、結果的には社会のガバナンスこそが欠如してしまっていることを、自ら露呈しているのではないでしょうか。

 それこそが加計学園問題でもっとも憂うべき点であるように感じます。


以上


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プロフィール

teccyan88

Author:teccyan88
団塊の世代(♂)。うどん県高松市生まれ。大学は京都。20数年の会社員生活(四国各地・東京・広島・福岡勤務、主として経営管理・企画畑を歩む)の後、早期退職しUターン。専門学校(3年)ののち自営業。
趣味:読書、水泳、水中ウォーキング。
尊敬する人(敬称略):空海、緒方洪庵、勝海舟、大久保利通、司馬遼太郎、盛田昭夫、小倉昌男、佐々木常夫、西原理恵子ほか多数。

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