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問題は経営力

問題は経営力
 讀賣新聞18年1月31日
問題は経営力
 日経新聞17年10月7日
 1970年代半ばから約40年間で、日本の電機メーカーから特許に名前が出るようなトップクラスの技術者だけでも1000人超が韓国、中国を中心とするアジアメーカーに流出している。
問題は経営力
 日経新聞17年8月27日
 日本の給与は役職が上がるにつれ海外に抜かれる。日本は独特。アジア企業でもアメリカ型が標準。
問題は経営力
 日経新聞18年1月22日
 日本は過去20年デフレで、人件費はほぼ横ばい。例えば、中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)は、日本国内の新卒採用で初任給40万円を提示。ソニーなど日本の電機大手の2倍近い水準だが、「世界的には珍しくない。優秀な人を採るためのグローバルスタンダード」。
問題は経営力
 現在、いろいろなところで見事なハクモクレンを見ることができる。





  問題は経営力


 日本の電機メーカはここ10数年でメタメタになってしまった。技術力で遅れをとったわけではない。経営に問題があったという。

 讀賣新聞18年1月31日「WATCHERS」欄に早稲田大学大学院・長内 厚(おさない・あつし)教授の論考が載っていた。抜粋してご紹介します。


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 日の丸家電復活の日

 昭和時代 技術が価値に

 日本の電機メーカーの技術は相変わらず強いと思います。ただ、技術そのものを売るわけではなく、売るのは商品です。

 技術で負けたわけではないのに、技術を強くすれば、かつてのように復活できると考えました。そして、さらに技術への投資をした。これが、空回りの原因です。

 昭和の時代は、技術がそのまま製品の価値につながりました。1950年代にソニーが世界で普及させたトランジスターラジオがそうです。他社は、トランジスターを搭載した小型ラジオを作れませんでした。

 半導体やブラウン管テレビも、技術が進めば価値が上がる、というシンプルな関係でした。当時、日本勢は、技術開発に没頭すればよかったのです。

 〈今、日本メーカーは、特に家電で韓国や中国・台湾勢に対し劣勢にある〉

 21世紀に入って、家電業界でデジタル化が一気に進みました。部品を調達すれば、簡単に一定の品質の製品ができる。安い部品を、安い人件費で効率よく組み立てるのです。

 韓国のサムスン電子は、迅速な判断で大規模な投資をしました。一歩遅れた技術で、新興国のテレビなどの市場を開拓しました。そこで得た利益を半導体に集中投資し、コストを下げたのです。

 技術を高めることと、技術以外の部分で何をするべきか、うまくバランスをとった。全体の戦略を描き、大胆な経営判断で、成功につなげた。

 しかし、日本の企業は、技術を過信するあまり、デジタル化に対応する「戦略」がありませんでした。技術が強過ぎたために、技術に頼ってしまった。あの手この手で戦略を考えることができなかったわけです。


 経営陣に問題があった

 問題は経営力です。日本企業は強い現場を持っているので、まともに経営すれば、ちゃんと利益が出るのです。

 〈台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業に買収されたシャープは、営業利益が黒字化。わずか約1年4か月で東京証券取引所1部に復帰した〉

 やはり、現場の上にいる経営陣に問題があったのです。それが証明されました。シャープは、百戦錬磨の経営者が来ただけでがらっと変わったのですから。

 日本企業がもうけられるチャンスは、どんなところにもあります。戦略の基本ができていないだけで、そんなに難しいことではない。

 まず、自分たちの持っている資源のうち、何を有効活用すれば、他社と違うことができるか。もう一つはどの市場に出て行けば、価格競争に陥らないで済むか

 例えば、ソニーは、競合が少なくなったラジオを世界各地で売って利益を得ています。最先端の技術を使っているわけでもない。サムスンは、最近までブラウン管テレビを新興国で売って利益を出していた。他社が入ってこない領域をうまく見つけるのです。

 スズキは、インドの自動車市場で強い。自分たちの強みを生かせて、他の日本メーカーが進出していないところを考え、成功したのです。

 新興国では、本当に市場に合ったモノを出すことが重要です。日本の電機メーカーは、日本らしい付加価値をつけなければいけないと考えがちです。むしろムダな機能をどこまでそぎ落とせるかが問われます。


 金もうけできる=「クール」

 日本勢は、アイデアや技術は持っていますが、それをうまくビジネスに結びつけることができない

 理系と文系、開発と営業という枠組みがはっきりしています。これが良くない。

 社内や特定分野の専門家よりも、そこから少し離れている立場の人が新しいものに気付きやすい。海外メーカーは、外の知識を貪欲に吸収します。新興の中国・台湾メーカーでいえば、自社だけでできないことがある場合、社長が会議中に他社の人に電話し、「これができないか」と相談する。そのスピード感や幅の広さが強みになっています。

 日本全体として、ビジネスに対する貪欲さが足りないと思いますね。

 次に開発するための原資を作るには、貪欲にもうけなくてはいけない。海外では、しっかり金もうけができる経営者が「クール」であり、評価されます。日本もそうあるべきです。  (聞き手・瀬川大介さん)


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(感想・意見など)

 最近の悔しい出来事といえば、東芝の凋落がある。テレビ事業はハイセンス(中国)に、白物家電は美的集団(中国)に売却。虎の子の半導体事業は?

 昔から「野武士の日立」に対して「東芝はお公家さん」と言われてきた。おとなしい社風を克服しようとしてか、直近の社長はそれぞれに個性的ではあったが、「模倣の西室、無能の岡村、野望の西田、無謀の佐々木」と評され、結局は人を得なかった。人災で傷口を広げた。問題は経営力である。

 あと10~15年内に、車の自動化、共有化、電動化の進展で、日本の屋台骨ともいうべき自動車業界が大激震に見舞われるのは間違いない。電機メーカーの二の舞にならないようにしなければならない。


以上

 

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プロフィール

teccyan88

Author:teccyan88
団塊の世代(♂)。うどん県高松市生まれ。大学は京都。20数年の会社員生活(四国各地・東京・広島・福岡勤務、主として経営管理・企画畑を歩む)の後、早期退職しUターン。専門学校(3年)ののち自営業。
趣味:読書、水泳、水中ウォーキング。
尊敬する人(敬称略):空海、緒方洪庵、勝海舟、大久保利通、司馬遼太郎、盛田昭夫、小倉昌男、佐々木常夫、西原理恵子ほか多数。

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