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長い冬の欧州

冬の欧州
 朝日新聞18年3月10日 ブレイデイみかこさんの「欧州季評」右側
冬の欧州
 朝日新聞18年3月10日 ブレイデイみかこさんの「欧州季評」左側
冬の欧州
 (光文社新書) 886円
 
 ブレイデイみかこさんは保育士・ライター。1996年から英国南部のブライトン在住。
 労働者階級出身の英国人男性と結婚20年、労働者階級の集まる公営住宅地に住む。
 
 欧州は階級社会である。彼女は「まえがき」にこう書いている。
 「ロイヤルファミリーやアフターヌーン・ティーの階級についてはよく知られていても、日本にはほとんど伝えられていない階級の人々の現状や、主流派とは違うもう一つの英国の歴史について、祖国のみなさんに少しでも関心を持っていただけるきっかけになればと願っている」。

冬の欧州
 日経新聞18年5月5日
 中国の台頭により米中の摩擦が激化している。適当なところで折り合いがつけばいいが、そうでないならば世界中が不幸になる。
冬の欧州
 
 連休後半に入っているが、今日は道路はすいていた。モーニングのため喫茶店に行ったが3店が休み、ほとんどいったことのないところに行った。マスター、ママは恐らく70代。店のセンスは40年くらい前のもので、店舗や設備の償却はすでに終わっていると思われる。スポーツ紙、雑誌は沢山あったが、一般紙はなかった(残念!)。
 このモーニングは500円。
冬の欧州
 近くの空き地で「ハッカチョウ」の群をまた見た。ムクドリ大(ムクドリも一緒にいた)。体は黒、くちばし、脚は黄色、額に冠羽(かんう)がある。
長い冬の欧州
 何よりも羽を広げたときのこの白色が特徴。





 長い冬の欧州


 欧州経済は総じてさえないようである。

 朝日新聞18年3月10日、ブレイデイみかこさんの「欧州季評」を抜粋してご紹介します。みかこさんのコラムの特徴は、階級社会欧州を地べたから見ていることである。


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 緊縮病「失われた10年」
 待ちわびる冬の終焉


 春まだ遠い英国に雪が降った。ホームレス支援の慈善団体に勤めている友人から電話がかかり、食料をカンパに行った。悪天候のため、友人が働いている団体では、事務所や倉庫を開放してホームレスの人々の緊急シェルターにしている。

 「今年は本当に路上生活者が多いから、教会やカフェ、ナイトクラブのオーナーまで自分の店を開放して受け入れを行っている」と友人は言っていた。それでもまだ路上にいる人々のため、パトロール隊が出て、どこに行けばいいか案内して回っているそうだ。若いボランティアが、雪でカレッジや大学が休講になったので手伝いに来たと言っていた。英国には相互扶助の機動力がある。

 こういう話はいま英国中であり、ニュースで毎日のように報道されている。だが、他方では悲惨な話もある。先月、国会議事堂の最寄り駅であるウェストミンスター駅で、路上生活者の遺体が発見された。亡くなったのはポルトガルからの移民だったと判明した。ロンドンでは、年初の6週間だけで4人の路上生活者が亡くなっている

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 2010年に保守党が政権を握って緊縮路線になって以来、路上生活者の数は69%増になった。昨年の総選挙で、メイ首相は22年でにその数を半減させ、27年にはゼロにすると公約した。だが、福祉予算が削られ続け、悪天候の緊急支援すら民間の善意に頼っている状態で、そんなことができるのだろうか。

 路上生活者の増加が社会問題になるにつれ、5月にヘンリー王子の挙式が行われるウィンザーでは、路上生活者の取り締まりを強化した。ロイヤルウェディングで世界中から観光客や取材陣が集まることを想定しての一掃作戦である。

 メイ首相が路上生活者ゼロ宣言に現実味がまったくないのも、ウィンザーの自治体がシェルターに予算を使えないのも、理由は同じ。緊縮で財政支出をカットしているからだ。

 ユーロ加盟国は、「ギリシャのようになりたくなければ緊縮しなさい」と言われてきた。多くの政治家や知識人が、愚かにも一国の財政を家庭の財布にになぞらえ、「倹約して借金を返済しないと破産します」と財政均衡ファーストのマントラを繰り返してきたのである。

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 ところが、ギリシャ同様に財政危機に陥ってEUから緊急融資を受けたポルトガルは、15年に社会党政権が発足すると、一転して反緊縮に舵を切り、最低賃金を引き上げ、逆進性の高い増税案の破棄、公共部門職員賃金と年金支給額の引き上げなどを行った。「まやかし経済」、「すぐ財政破綻してまた救済が必要になる」と緊縮派は激しく批判した。が、ポルトガル経済は奇跡の復活を見せた。13四半期連続で堅調な経済成長を遂げ、財政赤字も快調に減らしている。内需が拡大しているからだ。16年には、単年度の財政赤字額の比率が国内総生産(GDP)の2%になり、初めてユーロ導入国に課された財政基準を満たした。

 つまり、ポルトガルは、「ドイツとEUが提唱する緊縮をしなくとも経済は好転し借金も返せる」ことを体現する存在になっているのだ。これは混迷する欧州に灯(とも)った希望の光だ。しかし、同時に腹立たしくもなる。他国はどうなっているのだと思うからだ。

 いまだに半数以上の若者が失業し、自殺者が増加したギリシャは?ローンや家賃が払えなくなった人々が続々と住宅退去させられたスペインは?経済不安から極右が台頭しているフランス、そして路上生活者が増え続けている英国は、いったい何のために緊縮財政を続けているのだろう?統計上のEU全体の経済は好調でも、各国の問題は深い。

 今年1月、ポルトガルの経済復興の立役者であるセンテーノ財務相が、ユーロ圏財務省会合(ユーログループ)の新議長に就任した。この人事を推したはドイツだったと言われており、メルケル首相は欧州の緊縮体制が機能していないことをようやく認めたとささやかれている。

 もしそうだとすれば、欧州の長すぎた冬はついに終わるかもしれない。08年の経済危機で始まり、緊縮が悪化させた「失われた10年」の終焉(しゅうえん)を告げる暖かな春の光を、欧州の地べたは待ちわびている。


以上


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プロフィール

teccyan88

Author:teccyan88
団塊の世代(♂)。うどん県高松市生まれ。大学は京都。20数年の会社員生活(四国各地・東京・広島・福岡勤務、主として経営管理・企画畑を歩む)の後、早期退職しUターン。専門学校(3年)ののち自営業。
趣味:読書、水泳、水中ウォーキング。
尊敬する人(敬称略):空海、緒方洪庵、勝海舟、大久保利通、司馬遼太郎、盛田昭夫、小倉昌男、佐々木常夫、西原理恵子ほか多数。

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