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前門の白頭鷲、後門の龍

前門の鷲、後門の龍
 朝日新聞18年7月11日
前門の鷲、後門の龍
 朝日新聞18年7月12日

 中国に対する厳しい見方は、トランプ大統領だけのものではない。共和党、民主党を問わず広く、「今のうちに中国を何とかしなければ経済・軍事覇権を奪われてしまう」という認識では一致している。

 だから、簡単に終わる問題ではない。アメリカは挑戦してくる国には厳しい。過去、日本がずっと経験してきた問題でもある。日本の場合はまだしも、自由、民主主義、人権尊重、法の支配といった価値観では一致している。中国は全く異なる。簡単には解決しない。

前門の白頭鷲、後門の龍
 讀賣新聞18年7月6日
 国連の委員会は、中国によって100万人のウイグル族が収容所に違法に拘束されていると報告している。その他、チベット族、モンゴル族へなどへの虐殺、弾圧も知られている。天安門事件、香港・台湾への威圧、介入も頻繁である。

前門の鷲、後門の龍
 萩の花
前門の鷲、後門の龍
 香東川のヒガンバナ






 前門の白頭鷲、後門の龍


 19世紀半ばから欧米豪などで黄禍論(こうかろん:黄色人種脅威論)が広まる。1882年アメリカで中国人排斥法が成立。1900年ごろからは日本人に及び、排日移民の機運が高まる。1942年には日系人の強制収容が始まる(同じ枢軸国でもドイツ系、イタリア系はなし)。

 戦時中、B29などが焼夷弾で日本のほとんどの主要都市を焼き払った。焼夷弾のみならず破裂爆弾(殺傷目的のくぎ様のものが入っている)などで一般市民までも殺傷した。グラマンなどの艦載機は、一般市民を追い回して銃撃した(のちにベトナムで同様のことをしていることを想起されたし)。

 原爆を使用するにしても、①最初に無人島などに投下して降伏を促す、②投下を軍事目的に限る、ことも可能であったにもかかわらず、③一般市民の大虐殺を行った。


 中国では、例えば、飛行機が不時着し捕虜となったパイロットが、目をくり抜かれ鼻・耳をそがれ、手足を切断され、檻に入れられて見世物にされた例がある。日本軍はその情報を入手し、移動中の列車を爆撃し、楽にしてやった。

 中国人の保安隊などにより一般居留民約380人が略奪・暴行・強姦・虐殺された例がある(通州事件)。女性はほとんどが強姦され陰部を銃剣で刺され、子どもは鼻に針金を通されたり、腹をめった刺しされたり、首に縄をつけて引き回されたり、切断した手足を軒下につるしたり、酷いものであった。

 1946年2月のかつての満洲国における「通化事件」というのもある。戦争ではひどいことが起こるのは通例であるが、中国はそれを越える(過去侵略しあった国は往々にしてそう)。ネット検索してみて下さい。


 戦後、アメリカは日本の工業力を徹底的に破壊して貧しい農業国にするつもりであった(いまだにまともな飛行機が作れないのはそのせいである。技術者は自動車、新幹線などに方向転換した)。しかし、共産主義の脅威を知るにおよんで(マッカーサーなどは朝鮮戦争で中国義勇軍と戦って、日本が何と戦っていたかを思い知ったと言われる)、日本を共産主義の防波堤にすべく方針転換した(ドイツも同様だと思われる)。


 そうして復活した日本は、1965年に日米貿易収支を逆転。アメリカは警戒し出す。1972年には日米繊維交渉。1977年鉄鋼、カラーテレビ。1980年代には農産物、自動車が問題となり激しい「ジャパンバッシング(日本叩き)」が始まる。1985年にはプラザ合意で円高を飲まされる。1986年の「前川リポート」をもとに430兆円の公共投資、規制緩和を図る。半導体、コンピューターなどが問題となる。

 やがて日本の慣習・構造自体が問題視され、1988年新通商法(スーパー301条)制定。1989年日米構造協議始まる。年次改革要望書をを突きつけられ、日本の慣習・構造自体を変えるよう迫られる。アメリカはここまでやる。

 1990年代に入ると、対米問題もあり日本はバブル崩壊、中国が台頭し、「ジャパンパッシング(日本軽視)」と言われた。


 朝日新聞18年7月11日にトランプ米大統領の通商アドバイザーの米鉄鋼大手ニューコア名誉会長・ダン・ディミッコ氏(68)の見解が載っている。抜粋してご紹介します。


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 通商紛争 なぜ同盟国も標的

 「中国野放し」の責め負うべきだ


 トランプ米大統領が通商紛争をしかけています。技術や軍事面で覇権を争う中国だけでなく、友好国も標的にする狙いは。

 ――トランプ氏の保護主義的な通商政策への批判が続いていなす。

 「米国を保護主義だと批判する人は、米国が最も開かれた市場として戦後の世界の需要を一手に引き受け、各国の再建を支えてきた事実を見落としている。その役割は米国が自ら選んだと同時に、やむなく押しつけられたものでもある。第2次大戦で欧州もアジアも破壊され、ドイツや日本などが製造業の基盤を立て直すのを米国は助けた」

 「でも、もう自分の足で立つべき時だ。このままでは米国の製造業が失われ、どこかの時点で米国の自己破壊につながる。製造業こそ世界のリーダーとしての要石(かなめいし)に他ならないのにだ」

 ――米政権の標的は同盟国にも及んでいます。

 「中国が鉄鋼の過剰生産や知的財産の侵害などで想像を超える規模でルールを乱し、世界の貿易秩序をおかしくしたのは確かだ。その中国が自由貿易主義者のように自己演出しているが、最悪の偽善としか思えない。ただ、日本など米国の同盟国も、責めを負わなくていいわけではない。不作為によって、中国を野放しにした。米国の多国籍企業と同じように、中国市場の魅力に負けたのだ」

 ――米政権は安全保障を理由に輸入車への高関税措置を検討しています。

 「自動車をつくる能力があれば平和を保てるわけではないが、自衛の観点からは、いざというときに必要なものを製造できる工業力は必要だ。米国はその力を失いつつあり、このままでは安全保障上、弱体化してしまう。中国は航空宇宙分野の支配も狙っている」

 ――実施されれば、日本にも悪影響が及びます。

 「中国をグローバル経済に取り込むには、世界の国々が団結しなければならない。どの国も口ではそう言いながら行動しなかった。大統領は、世界の国々に気付いてもらうには痛みを引き起こさなければいけない、と言っているようにみえる。もちろん、日本にも痛みを引き起こすだろう。しかし、もしいま問題を正さなければ、将来経験する痛みは第2次大戦のようなものになる。質は違っても同じように破壊的なものになってしまうだろう」

  (聞き手・青山直篤さん)

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(感想・意見など)

 日米貿易摩擦が激化し、日本企業は全米各地に日系工場を作ってアメリカ人を雇用し、現地生産するようになった。また、1982年にGMが閉鎖していたカリフォルニア州フリーモント工場に1984年トヨタとGMの合弁企業「NUMMI(ヌーミ)」を設立。カローラやシボレー・ポンティアックなどを生産し、トヨタ生産方式を教えた。フリーモント工場は劇的に変わった。労働者はやる気を出し、品質のいい車を作るようになった。

 しかし、どういう訳かGMはトヨタ生産方式を横に広げることが出来ず、倒産してしまった(クライスラーも倒産。ビッグ3の内フォードだけが倒産を免れた。なおGM、クライスラー共に再建されている。フリーモント工場では現在テスラが電気自動車を作っている)。

 日本企業はそこまでやっているのに何故という気はするが、全面的にではないが、ダン・ディミッコ氏の言い分も分からないではない。


 前門の白頭鷲(アメリカ)、後門の龍(中国)。どちらも狂暴。資源はなく軍事力も最小限でミドルパワーの日本としては、アメリカ、中国とも仲良くしたい。英、独、仏、豪、印などミドルパワーの国々との同盟も重要。しかし、白頭鷲か龍か、どちらかを選べと言われたら、価値観の近い白頭鷲でしょう。



以上


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プロフィール

teccyan88

Author:teccyan88
団塊の世代(♂)。うどん県高松市生まれ。大学は京都。20数年の会社員生活(四国各地・東京・広島・福岡勤務、主として経営管理・企画畑を歩む)の後、早期退職しUターン。専門学校(3年)ののち自営業。
趣味:読書、水泳、水中ウォーキング。
尊敬する人(敬称略):空海、緒方洪庵、勝海舟、大久保利通、司馬遼太郎、盛田昭夫、小倉昌男、佐々木常夫、西原理恵子、足立康史、竜崎伸也ほか多数。

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