国柄―日本

四国新聞12年5月11日「おしゃべり地球カフェ」欄が面白い。私は特に高松市出身の主婦何 安子(ほう・やすこ)さんのファンである。アメリカに永く住んでいるが、ものの見方と正調?さぬき弁が面白い。ご紹介します。
(タイトル)
遠く離れて気付くこと
「ダメ」頑固に言えますか
(本文)
去年も桜の咲く季節に日本に帰ったんやけど、今年は寒かったようで、あんまり花見にならんかったのが残念でした。
外国に永らく住んどると、こちらに合わせて愛想ように話してくれるタクシーの運転手さんや、改札口で迷う私に機嫌よう対応してくれる駅員さんは心底ありがたい。日本にチップ制度があったら、思わずはずんであげたいレベルのサービスの高さですわ。
時期的に年度末やったけん、せわしなく働きよるトラックの運ちゃんやお店の人を見よると、日本の経済は、こういう人たちでもっとんやろうなあとつくづく思う。
働くということに対して、ここまで皆がリズムを打ったように一生懸命になれるんは、世界中どこ探しても日本しかない。ほんまに真面目な民族やと思います。
もひとつ外国から戻ってきて感心するのは治安の良さ。電車の中に荷物用の棚があるのって日本だけやと思う。持ち主の手がすぐには届かん、あんな場所に荷物置いても大丈夫やなんて、何げないことやけどこれは世界に自慢できる。
アメリカでもヨーロッパでも、今は移民が増え過ぎよんが社会的にも経済的にもよく問題になっとる。元からおった人の価値観と、今ごろ後から来よる外国人の価値観が違うんは当たり前。
特にアメリカでは今、国民が内向きになっとって、「アメリカ人の仕事を奪ったのは中国人」というレッテル貼りが顕著。普通の人は東京がどこにあるかも知らんくらいやけん、皮肉なことにキチンとした身なりをしてないと、私でも中国人に間違われて嫌げな顔されよる。
アメリカの製造業が中国に奪われたのは事実やし、それも久しい。今ごろ嫌そうな顔をしたところで何になるん?安さばっかり追求した結果がこれやんと思うんやけどなあ。
アメリカは移民の国やけん仕方ないとしても、日本はちゃんとした伝統がある国。香川に帰るといっつもその変わらん姿に、ほんまホッとする。だからこそちゃんとしっかりして、大事なことは大事、ダメなことはダメと頑固なくらいに言ってもらいたい気がする。
帰りの新幹線で降りてくるインド系家族がすれ違いざま、全員それぞれお辞儀してくれた。思わず和みつつも思った。
「日本はこれでええんや」
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(感想・意見など)
幕末から明治時代の初期、日本に来た外国人の書いたものをみると、日本についてほぼ例外なく「礼儀正しさ、清潔さ」について言及している。
恐らく国民の8割もが農業に従事していた農耕社会ということ、江戸時代約260年の平和が続いたこと、島国で大陸諸国のように直接の脅威にさらされることがほとんどなかったことなどが、影響していると思う。
いま世界は、中国、ロシア、ブラジルなど新興諸国が台頭してきて、「新帝国主義」の様相を呈してきている。「世界は日本とは違う」ということを冷静に認識しつつ、日本の良さを残していきたい。
以上
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まとめtyaiました【国柄―日本】
四国新聞12年5月11日「おしゃべり地球カフェ」欄が面白い。私は特に高松市出身の主婦何 安子(ほう・やすこ)さんのファンである。アメリカに永く住んでいるが、ものの見方と正調?さぬき弁が面白い。ご紹介します。(タイトル)遠く離れて気付くこと「ダメ」頑固...